管理薬剤師になるための条件とは
一般薬剤師が管理薬剤師になるために、薬剤師の資格以外に必要となる資格はありませんでした。ただ、厚生労働省のガイドラインに管理薬剤師の要件が記載されることとなり、それを受けて作成された日本薬剤師会の「薬局における法令遵守体制整備の手引き」でも、管理薬剤師は薬局においては「5年以上の実務経験」と「認定薬剤師の資格」が求められることが明記されています。
管理薬剤師として働くメリット
■メリット1:管理者としてやりがいを持って働ける
管理薬剤師になると、医薬品に関する幅広い知識が求められ、高度な知識が得られると共に、店舗のスタッフへの指導や教育も行う立場となるため、周囲から頼りにされることで自分自身の成長も感じられます。
また、管理者として店舗全体の業務を任されることになるため、薬局スタッフが良い環境で働けるように管理や改善を行い、経営マネジメントや人材育成に関わるなど、現場のリーダーとして責任のある仕事ができます。自分の知識やスキルを最大限に発揮して、それが評価につながることは、大きなやりがいや喜びを感じられるでしょう。
■メリット2:年収アップが見込める
一般薬剤師よりも責任や業務量が増える管理薬剤師は、ほとんどの場合で役職手当が支給されるため、年収アップが見込まれます。役職手当は企業によって異なりますが、月数万円で設定されていることが多く、年収で見ると大幅な増額が期待できます。薬剤師が給与を上げたい場合、定期昇給のみでは短期間で上げることは難しい傾向があり、管理薬剤師になることは高年収を目指す近道の一つといえます。
■メリット3:転職で有利になる
管理薬剤師として働いた経験があれば、転職をするときにプラス評価してくれる会社が多く、他の薬剤師との差別化につながります。マネジメントや人材育成に関わった経験は、薬局に限らず幅広い業界からの評価が期待でき、転職での職場の選択肢も広がるでしょう。給与交渉などでも有利に働くこともあり、好条件で転職できる可能性も高まります。
知っておきたい!管理薬剤師のデメリットや注意点
■デメリット1:仕事の負担が大きくなる
管理薬剤師は薬剤師としての医薬品取扱い業務以外にも、店舗の責任者としての役割を任されることになるため、当然責任は重くなり、一般薬剤師よりも多くの仕事をこなさないといけません。残業時間が増えたり、人手不足の際にカバーしたり、休みが取りにくくなったりすることもあります。
ただ、業種や企業、店舗の状況によって、管理薬剤師の大変さは変わってきます。大手調剤チェーンやドラッグストアなどでノルマがある場合、正社員の人数が少ない、1人薬剤師、在宅業務があるなど、管理薬剤師の負担がより増えやすい職場もあります。管理薬剤師として転職するときは、どこまで頑張れるかを想定して、業務負荷についてしっかり確認することをおすすめします。
■デメリット2:薬剤師として副業や兼業ができない
薬機法により、管理薬剤師は自分の管理する店舗以外で薬事に関する業務を行うことが禁じられています。例外的に、都道府県知事の許可を得た上で、非常勤の学校薬剤師やへき地での薬局の管理者確保が困難である場合などで副業が認められているものの、基本的には管理薬剤師は副業や兼業をすることができません。この点は事前に理解しておきましょう。
管理薬剤師になるにはどうすればよい?
責任は増えるものの、任される業務の範囲が広がりやりがいを持って働くことができ、年収アップも期待できる管理薬剤師。キャリアアップして管理薬剤師を目指したいとなったとき、どういった方法があるのでしょうか。
■現在の職場で管理薬剤師を目指す
現在の職場や会社で昇進して、管理薬剤師になる方法があります。そのためには、まず上司や経営者などに「管理薬剤師を目指したい」という明確な意思表示を定期的にしておくことがポイントです。どんなにスキルが高い薬剤師でも、昇進したいという意欲がなさそうであれば、上司は管理者のポストを任せようとは考えないでしょう。
企業によっては、管理薬剤師になることを前提とした、認定薬剤師の取得支援や様々なスキルアップ研修が用意されているところもあるので、教育制度を上手く活用して、キャリアアップを目指していきましょう。
ただし、職場の状況によっては、経験豊富なベテラン薬剤師が多く在籍している、上がつかえていて管理薬剤師のポストがなかなか空かずに昇進できないなど、現職で管理薬剤師になるチャンスを得るのが難しいケースもあります。その場合は、次に紹介する「転職」を視野に入れて検討してみることをおすすめします。
■転職をして管理薬剤師になる
短期間で管理薬剤師を目指せる方法が、転職をして管理薬剤師の求人に応募することです。管理薬剤師になるための要件を満たしていて、求人の募集する条件に合っている場合は、チャレンジしてみることができます。経験値に不安がある中での応募の際は、管理薬剤師向け研修などを実施している会社を選ぶのもよいでしょう。
そして、管理薬剤師といっても企業や業種、職場によって業務内容は大きく違ってきます。またに、人間関係を新たに構築しながら責任者として働くのは簡単なことではなく、職場の人員構成や雰囲気を知っておくのも必要です。せっかく意欲的にキャリアアップを目指すわけですので、ミスマッチとならないように事前にしっかり確認しましょう。
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