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薬剤師転職コラム

薬剤師が働く調剤薬局の種類別の特徴とは?総合門前、クリニック門前、面応需などの働き方の違い

薬剤師の職場として人気がある調剤薬局ですが、調剤薬局といっても様々なタイプがあり、タイプ別に特徴も働き方も変わってきます。総合門前薬局、クリニック門前薬局、面応需の薬局など、薬局の種類によって何が違うのかについて詳しくご説明していきます。

分業形態別の調剤薬局の種類とその特徴

調剤薬局はその分業形態により、点分業か面分業かに分けられます。医療機関の近くにあるのが点分業の薬局で、それ以外が面分業の薬局です。点分業は、主な応需元の医療機関がどこであるかによってさらに総合門前とクリニック門前に分類されます。

■総合門前薬局

大学病院や総合病院など、地域医療の中核となるような大規模な病院の近くに開設された調剤薬局のことです。診療科目が多科目となり幅広い処方箋を応需しているため、薬に関する知識を増やすことができ、薬剤師としてスキルアップできる環境になります。応需元の病院によっては重篤な症状に対する処方を受けるケースもあり、副作用リスクの対応など高いレベルの服薬指導が求められることもあります。

働き方としては、病院の外来が午前中のみなど受付時間が早いことが多く、午前中からお昼過ぎまでの時間に患者様が集中してかなり忙しくなりがちです。よって、薬剤師の役割分担が細かく分けれている薬局も多いです。丁寧に時間をかけて服薬指導をすることができなかったり、ピリピリとした職場の雰囲気の中で仕事をすることになったり、これらに強いストレスを感じやすい薬剤師には向いていないこともあります。

ただ、忙しい時間帯はあるものの午後は患者様も落ち着き、営業時間は18時まで、残業なし、土日休みといった人気条件の店舗も多いという特徴もあり、メリハリをつけて働きたい薬剤師にとっては魅力があります。

■クリニック門前薬局

地域のクリニックや診療所の近くにある調剤薬局のことで、マンツーマン薬局と言うこともあります。限られた医療機関からの処方を受けるため、特定の診療科目に関する専門知識を身に付けることができます。

自分が専門性を高めたい科目であれば非常に勉強になりますし、科目が限定されていれば調剤未経験やブランクのある薬剤師でも仕事に慣れやすい環境となります。ただし、ご自身のスキルによっては科目の偏りに物足りなさを感じることもあるため、受ける科目の特徴による働き方は事前によくイメージしておきましょう。

応需するクリニックとの距離も近くなりやすく、医師の処方意図を理解し、密なコミュニケーションを取りながら連携していけるケースもあり、患者様により詳しい説明ができるなどやりがいを感じる面もあります。

なお、クリニックによっては夜遅くまで診療していることもあり、就業時間が長くなったり、突発的な残業が発生することもあります。クリニックの診察時間に合わせて薬局のお昼休みが長くなることがある、クリニックが土曜も診療していることが多いため平日休みが多いなど、処方を受ける医療機関によって働き方が決まってくるのがクリニック門前薬局の特徴です。

■面応需の薬局

医療機関の近くではなく駅前や住宅街などに開設され、特定の病院やクリニックではなく、様々な医療機関から幅広い処方箋を受けている薬局のことです。調剤併設型ドラッグストアや家電量販店の中にある調剤薬局などが中心となります。

品目数を多く扱い、OCTやサプリメントの対応をすることも多く、偏りなく知識を習得することができます。処方箋を持つ患者様だけでなく、普段の買い物をしている常連のお客様から薬に関する相談を受けることもあり、密な関係が作りやすく相手に合わせた健康サポートが提供できることが特徴です。

24時間営業の店舗も増えてきたドラッグストアなどは営業時間が長いため、勤務時間が22時までなど夜遅くまで拘束されることもあります。固定休ではなくシフト制がほとんどで、土日や夜間を含んだシフトを組まれることもあり、プライベートの状況によっては向き不向きのある働き方となります。

経営元による調剤薬局の種類とその特徴

調剤薬局は、経営タイプに着目すると、大手チェーンなどの調剤薬局と個人経営の調剤薬局に分けられます。

■チェーン薬局

全国展開の大手チェーンや一定のエリア内に数十店舗を展開する中堅チェーンなどの調剤薬局のことです。総合門前薬局など経験が積める店舗も多い、最新設備が整っていて業務効率が最適化されている、福利厚生が充実している、本部も含めて様々なポジションがありキャリアアップの可能性が高いなどのメリットがあります。

ただ、広い範囲で店舗展開をしているため、店舗間での異動やヘルプ対応も多く、転勤となる場合もあります。

■個人薬局

1~2店舗程度の小規模な店舗運営を行う、個人で経営している調剤薬局のことです。地域に根差した経営をする薬局で、長年通い続けてくれる顔なじみの患者様もいるなど、患者様と信頼関係を築いて相談にしっかり応じることができるアットホームな店舗も多いです。

店舗異動やヘルプ対応も少なく、異動があったとしても近隣であるケースがほとんどなので、自宅近くの薬局で働くことができれば通勤に関してはずっと楽なままでいられます。

また、薬学生が新卒で入社する際は知名度のある大手チェーン薬局などを選ぶ傾向があり、個人薬局は薬剤師の人材確保が難しく、比較的高い年収設定がされているというメリットもあります。ただ、大手チェーンなどに吸収合併されて将来的に経営者が変わってしまう可能性もあり、年収が一気に下がってしまうリスクもあるため、経営状況はよく確認しておく必要があります。

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