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薬剤師転職コラム

服薬アドヒアランス不良を改善するために薬剤師ができること

患者さまに薬をきちんと服用してもらうことは、薬物療法では欠かせないことです。「服薬アドヒアランス」が注目されてきましたが、今回はアドヒアランス改善のために薬剤師がどう患者さまと関わっていけばよいかについて、ご説明していきます。

薬を服用する 患者

アドヒアランスとコンプライアンスとの違い

医療現場で以前は「服薬コンプライアンス」が使われることが多かったですが、現在重要視される「服薬アドヒアランス」とは異なる点があります。服薬コンプライアンスは、患者さまが医療従事者からの指示通りに正しく服薬するということを表し、一方的な指導関係でありました。

それに対して服薬アドヒアランスでは、患者さまと医療従事者が一緒になって治療方針を決定し、患者さまにもご自身の治療に主体的に関わってもらうことを表し、患者自身の治療への積極的な参加が治療成功へのカギであるという考え方です。

患者・医療者の相互理解が大切で、服薬状況がよくないときにコンプライアンスでは患者さま側のみに問題があるとされていたのに対して、アドヒアランスでは患者・医療者それぞれに問題があると考えるようになってきました。よって薬の専門家である薬剤師は、患者さまに正しく服用してもらえる服薬指導をすることが求められています。

服薬アドヒアランス不良がもたらす影響とは

■治療効果を正しく判断できなくなる

患者さまがきちんと服薬ができていない状態では、薬が正しく作用せず、期待できるはずだった薬の効果が得られません。また、医師は薬が正しく服用されている前提で処方をするため、治療効果が出ていなければ、この用量では不十分と判断して必要以上の薬の処方がされてしまうこともあります。

■副作用が起こるリスクがある

体調が良くなったという自己判断で服薬を中止してしまったり、他院からの処方や一般薬で同じ成分が入った薬を服用してしまったりする患者さまも多いですが、処方通りの服用をしていない場合、思わぬ副作用を引き起こすリスクがあります。

■医療費がかさむ

アドヒアランス不良により正しい服薬ができないと、治療効果が出なかったり、症状の悪化や再発を引き起こしたりすることもあり、本来は必要のなかった治療を続けることになり、医療コストが増加することにつながります。

アドヒアランス改善のために薬剤師ができること

■患者さまが「飲みたくない理由」を聞き出す

飲み忘れではなく患者さまの意思で薬を正しく服用していない場合、「なぜ薬を飲めていないのか」という原因を探ることが重要ポイントです。「効いていないから」という理由なら、患者さまは薬を飲めばすぐ効果が出ると思っていることもあるので、どれくらいで効果が出始めるという目安をお伝えしておくと、患者さまもすぐ効果が出ないことに不安を感じずにすみます。

「もう症状がよくなったから」ということなら、どうしてそう感じるのかを聞いてみて、「検査の数値が安定しているのは薬を継続使用している効果で、1、2回の飲み忘れで影響がなかったからといって自己判断でやめてしまうと、また症状が悪化することもあります」など、決められた期間きちんと飲むことでしっかり完治させられるという薬の必要性を理解してもらいましょう。

「副作用が心配」で途中で飲むのをやめてしまう患者さまは、ご自身で薬のことを調べて副作用について書かれていた内容を見て不安になってしまったケースも多いです。具体的にどういったことを気にしているのをお聞きして、誤解があれば正しい情報をお伝えしたり、患者さまの生活習慣で副作用の影響を受けそうなことがないかを確認したり、安心して薬を服用できる状況を作りましょう。

■残薬チェックをして無理のない服薬スケジュールを

患者さまの残薬についてお聞きして、場合によっては持ってきてもらうと、どのような服薬状況であるかが判断できます。薬の種類や服用回数が増えると、飲み忘れや飲み間違いのリスクも高まり、患者さまにとっても薬を毎日正しく飲み続けることがストレスになります。どの薬が余ってしまうのか、なぜ飲めないかを確認して、患者さまの生活リズムに合った負担のない服薬スケジュールに変えていくことも必要です。

また、薬を飲むことのストレスを医師にはなかなか言えないという患者さまも多いので、そんな時こそ、薬の専門家として親身に向き合う薬剤師の存在価値を発揮できます。患者さまの本音を引き出し、不要な薬は減らす、服用しやすいように用法を合わせるなど、服薬の問題点を解消させるために処方変更の余地があれば、できることを積極的に考えてみましょう。

なお、正しく服薬できない事情のある患者さまが「医師には言えない」という気持ちがあるとき、どうしてそう感じるのかを探っていくことも、薬剤師の服薬アドヒアランスでは大切です。以前医師に直接要望を伝えたら嫌な顔をされた、あまり細かく言うと今後ちゃんと診てもらえなくなるのでは、などという色々な不安を患者さまは感じているものです。

薬や飲み方に関する不安だけでなく、そういった治療全般の不安感に寄り添い、どうすれば良くなるのかを一緒に考えていくことが、薬物療法の効果を上げていくことにもつながっていくと同時に、患者さまにとって困ったときに頼りになる存在として薬剤師の信頼感が増していくことになります。

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